みちくさブログ

冬季小屋について

徳澤園の通常営業は例年11月上旬あたりで終了します。ただ、お客様の中には徳澤園だけは年間営業をしているとおっしゃる方もいます。皆さんがご覧になっているこのホームページでも冬季営業の件に関しては、一切触れておりません。

当園の歴史は牧場時代を含めると120年を超えます。昭和の初期に、牧畜から宿泊施設に代わり今のスタイルとなった訳です。やがて、登山ブームに乗り、上高地は飛躍的に人気の観光地となりました。冬も例外では無く、学生の集団登山や年末年始を山で過ごす方も増え、簡易施設ではありますが冬季小屋の営業が始まりました。文献や記録が残っているわけでなく曖昧ですが、その歴史は50年ほどになると思われます。しかし、冬季小屋の一番の役割。それは、遭難基地としての役割でした。当時、もちろん携帯電話など無く、有線電話が引かれている最奥地が徳沢だったのです。冬に事故が起きた際の、避難場所として、また、下界との唯一の連絡手段として活用されてきました。(私が、小学校2年のお正月にも雪崩で流されたパーティーが助けを求めて来たこと。そして、その中の何名かが、その事故によって命を落としたことを覚えていますし、小学生にとってあまりに衝撃的な出来事だったため、お正月になるといつも頭の中にその事件が浮かびます。)

現在は、冬季番としてスタッフを1名だけ常駐させております。もちろん、本館は完全に閉めておりますので、冬季小屋だけの営業になります。また、1名しかおりませんので、食事の提供はできません。お客様の食事はお客様自身で持ってきて頂く形になります。もちろん、水はほとんどありませんので、お風呂はありません。上高地行のバスも運行されていませんので、釜トンネル手前より歩く以外の方法はありません。また、除雪などは一切してありません。当園までは、6時間程かかります。途中の施設はすべて閉まっておりますので、ちょっと寒いから休もうなどということもできません。冬の上高地は、本当に厳しい場所です。

従って当園は一応、素泊り営業はしていますが、一切の宣伝、告知等は控えてきました。知っている人だけが、自己責任において、自分の技術と体力、天候をよく判断して利用してもらえればいいと考えております。厳しい環境を理解した人だけが、訪れる場所であっていいと考えております。

冬の上高地は素晴らしいですが、それ以上に厳しい場所です。簡単に、事故が起きる場所です。事故が起きてもなかなか助けが来てもらえない場所です。自己責任において、慎重な行動・判断をお願いします。

レポート 若旦那

もし、冬季小屋をご利用される場合は、必ず現地電話(0263-95-2508)にご連絡ください。1名しかスタッフがおりませんので、夕方あたりを目安にお電話下さい。また、キャンセルされる場合も必ずお電話をお願いします。

(但し、正月前後3日は我々も登りますので、食事の提供はしています。)

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