新年あけましておめでとうございます。今年も徳澤園並びにみちくさをよろしくお願いいたします。
先ほど、無事極寒の上高地より生還致しました。昨年の29日に登ったのですが、当日の気温を電話で確認したところ、天気は申し分ないとのことですが、気温がなんとマイナス21度・・・。人が生きていけるのですか??と私自身が疑問に思います。しかし、結局1月4日までの7日間滞在し晴れたのは、この日が最後でした。後は毎日毎日猛吹雪。最終日の4日だけは少しだけ天気が回復しましたが、それ以外は3m先が見えない日が続きました。今シーズン初穂高を拝めたのも、4日のことでした。
釜トンネル前では、遭難対策協議会の皆さんが冬山登山の検問を行っていました。夏とは違い、行程の確認、装備一つ忘れただけで大事故につながります。しっかりとした装備と計画がなければ決して立ち入ることのできない世界ですから。
29日。痛いくらいの寒さの中にもいいことはあります!!大正池の畔では、湿気が多いため、急激に温度が下がると水滴が木々につき、クリスマスツリーのような白銀に光る木々を見ることができます。
毎日、毎日。雪、雪、雪・・・・・・・・・・・・・・・・・。
雪が降っても、河原などはあまり積りません。なぜなら、風が強く吹き飛ばされてしまうから。
しかし、建物の近くは逆に吹きだまりとなり恐ろしいことになります。
前に紹介した、イギリス製のステンドガラスではありません。人の湿気で、室内のガラスは凍ってしまいます。
今回初めて”テン”を見ました。クリーム色のふさふさの毛で覆われ愛くるしい姿でした。残念ながらカメラには収めることができませんでしたが、動物の足跡は至る所にありました。何を食べているんだろうか??すごく不安になります。恐らく写真のように何も食べ物がなくなったら上高地に生息している笹を口に含み飢えをしのんでいるのでしょう。無残に食い散らかされた笹を見つけた時に、少し胸が痛みました。
前穂はやっぱり雄大です。ただ、震えるくらい恐ろしくも見えます。
いつものメンバーも揃いました。昨年も紹介した徳澤乱酒会・・・いや、「徳澤山酒会」の皆さんです。年に一度年末年始にこの冬季小屋に集まります。冬の北アルプスがきっかけで、赤の他人同士が一人。また、一人。年末年始に一度しか会わない乙姫と彦星のような存在が、いつの日か、長い年月をかけ生涯の友になった不思議な会です。年齢も住所も職業もみんなばらばら。共通点は、冬の北アルプスと酒!!でも、社会に出て、仕事やお金などを抜きにして出会ったこの会は、いつも温かみを感じます。年に一度しか会えない友の為、極寒の雪道を7時間歩き、今年一番の酒の肴を持ち寄る。粋じゃないですか!!よく見たら今年はユニフォームまで揃えていました。
おまけ 最終日。女将と二人で徳沢を後にしました。先月女将はオーストリアに三週間も遊び・・・いや研修に行ってきました。その際に、購入した毛皮のブーツを履いていました。全く北アルプスには似合わないブーツです。それに、コートは最近ハマっているユニクロ。最近デビューですので、ユニクロをよくクロネコと言っています。昨年も申し上げましたが、30年以上通わなければこの格好で北アルプスの地は踏めません。間違いなく、釜トンネルで遭難対策協議会のスタッフに”帰れ”と怒られます!!