上高地の携帯電波状況は、河童橋周辺は繋がりますが河童橋を少し離れると電波は途絶え、次に電波を拾えるのは涸沢あたりまで行かなくてはならない状況でした。
山の中だからそれも良しと思う人。時代が時代なだけに不便を感じる人。人それぞれ
で、電話がかかってこなくていいとも褒められますし、外部と連絡が取れないと困っ
ている方もいます。
数年前に釜トンネル上で土砂崩れがあり一時上高地は孤立状態になりました。電気、
電話線も途絶え外部との連絡手段は無線と衛星携帯のみ。日本を代表する観光地上高
地の危機管理体制も見直されるきっかけになりました。
数年前より、明神、徳沢、横尾地区にも携帯の電波が届くように、松本市を中心に動
いていただき、つい先日徳沢地区もDocomo、AU、Soft bankの携帯通話が可能になり
ました。
この過程になるまでは、電波のない良さ。安易な救助要請が増えるのではないか。電
波のつながる安心感から到着時間が遅くなるのではないか。山小屋内での電話マナー
などたくさんの議論をしましたが、やはり安全性を考えると無いよりはあった方が好
ましいということになりました。
当園内は、館内の使用は控えるように注意書きを張らせて頂きました。
これから大小様々な問題も出てくると思います。館内のマナーもそうですし、救助要
請もそうです。
ただ、一つだけ言えるのは、あくまで携帯電話は補助的なものです。
最近は、地図を持たず携帯アプリを見ながら登っている方もいます。救助要請をされ
ても、住所があるわけでないので、木の特徴や景観を聞かされてもそこがどこかわか
りません。目覚まし機能も時計機能も電池が無くなれば使用できません。冗談でな
く、懐中電灯の機能がありますからとヘッドライトを持たずに行動されている方もい
ます。
皆様の理解と下界以上の心使いをよろしくお願いします。