シルバーウィーク前の静かな平日。嵐の前の静けさに包まれています。こんな日には、チェックイン時などお客様とのお話も比較的ゆっくりできるもので・・・。
若女将「いらっしゃいませ」
客「予約しました木村ですけど」
若女将「お待ちしていました。どうぞおあがり下さい。」
品のある男性のお客様が入って来られました。いつものように宿帳に記入をして頂くことに。その男性の着ているウィンドブレーカーの胸には「剣岳 点の記」という刺繍が。
若女将「素敵なウィンドブレーカーですね。あの映画見たら買えるんですか?」
客「観た?」
若女将「いえ、まだシーズン中ですので、下山したら・・・」
客「監督」
若女将「(笑)・・・。」
よくある、ほのぼのとした親父ギャグの混じった会話のはずでした。後ろで見ていた私。なんか、品がありオーラが出ています・・・。偶然、近くにあったヤマケイの雑誌。「剣岳 点の記 木村大作監督」の特集に写っている男性と目の前にいる男性が同じではありませんか・・・。そう、200万人以上を動員した大ヒット映画「剣岳 点の記」監督ご本人でした。その後のチェックインは何を話したらいいのやら。
その夜、お酒を飲まれご機嫌の監督。1時間近く剣岳の映画の話やこれからの話などを聞かせて頂きました。全然年齢を感じさせないバイタリティー、パワー、オーラ、色気。次回、ぜひぜひ北アルプスを舞台にした映画を撮って頂くようお願いしました。
レポート 若旦那