前穂の四峰と五峰間直下に幻の池「奥又白池」は存在します。
氷壁の中でも出てくるこの池は、知る人ぞ知る神秘的な池です。
その姿を眺めるにはそれ相当の困難が待ち受けている訳ですが、前穂を背景にたたずむその姿は静寂の中にあってとても神秘的です。
当園から約3時間。
険しい獣道を手探りで登ります。
この奥又白池が感動する訳は最後にあります。
登っても登ってもその姿を目にすることができません。
そろそろ嫌になった最後の斜面を登りきったところでパッと姿を現します。
静寂の中、山の上にこんな池がある違和感。
自然のトリックを感じる瞬間です。
標高が高いので、その姿を眺められるのは雪が解けた7月過ぎた頃。
先週、当園スタッフが休暇を利用し様子を見に行ってきました。
勿論、アイゼン・ピッケル等の完全装備をして。
話を聞くと、雪で覆われていて見えないだろと期待はしてなかったのですが、その姿を見た瞬間驚いたそうです。
丁度、雪解けし少しづつですが、池が顔を出し始めた瞬間でした。
池の周りの雪は解け、中央の部分だけ、まだ厚い氷に包まれていました。
神秘的なドーナツ状態だそうです。
奥又白池のお勧めの時期は、7月中旬のお花の時期。
池の周りの高山植物が咲き、お花畑になります。
また、10月の紅葉の頃もお勧めです。
ただし、大正池や明神池とは違い、気楽な気分では行けない場所です。
限られた条件の中で、きちんとした装備が必要です。
レポート 若旦那