いよいよ葉が落ち哀愁漂う雰囲気になってきました。
日中もほとんど人通りが無くなり、静寂漂う奥上高地です。梓川沿いのカラマツだけが異様な程黄色く輝いていますが、その華やかさが余計に寂しさを強めています。
今年も色々なことがありました。6月の釜トンネルを埋め尽くした土石流。その後すぐに松本を襲った大地震。8月後半の長雨。9月の土砂崩落。そして、日本中を混迷させた、東日本大震災。
自然の恐怖・破壊力・強さ・脅威をまざまざと見せつけられた一年でした。
そんな一年だったからこそ、葉が一枚一枚剥ぎ落され弱っていく自然を見ていると、いつも以上に哀愁を感じ、同情に似た気分にさせられます。
私たちに許された時間はあとわずか。そろそろ、人間が住めない厳しい上高地の冬がやってきます。
レポート 若旦那