明けましておめでとう御座います。
行動制限の無いお正月という事で、少し解放された気持ちで妻の実家の石川県でお正月を過ごしました。しかし、まだまだ感染者も多く油断なりません。
2022年。
コロナ禍3年目。ニュースで伝えて聞くだけの前年までとは違い、実際に山小屋での感染、自粛も相次ぎました。
想定はある程度していましたが、実際自粛が決まった山小屋に前日に泊まっていましたけど今夜泊めて貰えますかと言われると、どこで線引きしていいのかの判断も困りますし、だからと言ってお断りするのも躊躇します。幸いなことに、山を愛するお客様はコロナ禍の山小屋事情もご理解して貰ってるお客様が多いため、申告してもらったお客様に関しては、部屋割り等考慮出来ましたので、大きな混乱も無かった事はせめてもの救いでした。
少しづつコロナに対する認識や常識も変わりつつありますが、今年も様々なケースが考えられます。難しい判断やその時の状況、天気も考慮しながら難しい舵取りになるとは思います。
さて、今年の徳澤園。
スタッフ。
昨今の話題の人手不足は、ここ上高地、北アルプスでも顕著でしてどこの施設も大変苦労しています。(というか長野県観光地の人手不足はかなり深刻でして、白馬等もお客様はいるのにスタッフがいなくて営業出来ない施設も多々あります)
ただ幸いなことに、今年に関しては半分以上のメンバーが残ってくれて、10名程度の新人スタッフが集まれば運営出来そうです。
外国人旅行客。
毎日問い合わせが来ています。勿論まだ今シーズンの予約は開始されていませんので、予約をお取り出来ませんが、外国人からの問合せはコロナ前と変わらないくらいになっています。日本人旅行客ですらアフターコロナの旅行の仕方が確立されていない中、正直とても心配です…。
物価高。
昨年末からお取引業者の皆さん一様に封筒を持って訪ねてきます。値上げのお願い…。食材、クリーニング、燃料などなど。保険とか関係あるのかどうか分からないものまで値上げだそうです。
旅館業の特徴の一つは、皆さんの生活を一時的に預かる商売ですのでお付き合いする業者様もたくさんいます。
銀行からは4月にもう一度大きな値上げがありそうなのでという忠告も受けています。
改装。
6月にまた改装をします。が、昨年に引き続き屋根の張替えとなります。しかも、今年は皆さんから見えない裏の屋根。たくさんお金をかけますが、これで満足度が大きくなる訳でもなく、ましてや皆さんから見える部分でもなく…。やりたくないのですがやらざるを得ない改装です。
「お風呂から見える裏側の屋根張り替えましたね」
とお世辞でも誉めて貰えたら幸いです。
と実はもう一つ考えていまして、コロナによって大きく登山のスタイルは変わりました。
一つは、大人数ではなく少人数やご夫婦だけで行動される方が圧倒的に増えたこと。
もう一つは、ピークハントを目指す登山スタイルから、山で過ごす。自然の中に身を置くといった過ごし方をする方が増えたこと。
この様な季節、天候に捉われないゆとりある山の過ごし方。明確な目的を持たずに訪れるスタイルというのは今後もっと増えていくのだと思います。
特に当園の様な、歩いて来なければ来られないんだけど、山頂まではまだ距離のある場所。今までは中途半端な位置と捉えている方もいらっしゃいますが、無理なく自然の中に身を置くのには丁度いい場所。
そんな方向けのお部屋を、今シーズンの秋から雪の積もるギリギリ迄作業し来年2024年春にOpenさせる計画です。どこにもないコンセプトルームは全部で4部屋(予定)。まだまだ計画段階で試行錯誤していますが、今後の山岳利用促進のためにもどうしてもやり遂げたいと思っています。
かつて山小屋の一番の目的は避難施設。しかし、時代も進み、今後は少し刺激的な余暇を過ごせる新たな山岳利用、観光業になれると思います。
色々と苦労もあり、楽しみもあり、刺激的なシーズンになるかと思いますが、色んなことに挑戦し、失敗し、いつものドタバタ徳澤劇場がお届けできる年になればといいなと思っています。
もう間もなく予約開始です。
皆様に今年もお会いできることを楽しみにしております。