夜が更けるにつれ厳しい寒さに見舞われた11日夜。
明日天気がよければ、春から一緒に徳沢を見守り続けた当園のご神木カツラの木とも、お別れしなければならないという寂しい気持ちで床につきました。
朝5時半。
寒さで目が覚め外を見ると、雄大な前穂が燃えるような今年一番の朝焼け。
興奮してお客様も皆キャンプ場でカメラを前穂に向けています。
草も木も落ち葉もテントもすべて白銀の霜で覆われ、凍てつく寒さが視覚でも確認できます。
準備は整ってしまいました。
カツラを見上げると、この寒さにぐっと耐え、その姿は昨日のものとは変わりません。
ただ、一枚一枚の黄金の葉っぱにも例外なく秋の洗礼を浴び、白銀の氷に覆われています。
さあ、後は1時間。
太陽の日が差し始めるその時まで、精一杯最後の輝きを放ち続けるだけです。
朝7時。
東の空から一刺しの光が入ってきました。
すると、一枚の葉っぱがヒラリ・・・
それを見た他の葉っぱも耐え切れずまた一枚・・・
いよいよ、今年のカツラともお別れです。
後は、無情にも日が差し込めば差し込むだけ、黄金の雨となって地面に戻っていきます。
美しいけど、どこか切ない気分。
一緒にここを見守る旧友のような存在との別れ。
皆を存分に愉しませ、惜しみも無く散っていく。
男気にも似たその姿に、尊敬すら覚えます。
呆然と見上げる人たちを寂しい気分にさせられ、下を見ると最後に憎い演出。
老木のようになったその姿の下には、黄金の絨毯が敷き詰められていました。
今年も、有難う。
また来年!!
レポート 若旦那