コロナで生活スタイルも変わり、旅行スタイルも変わりました。やはり密になりにくいテントは、一昨年くらいから一気に増え、世界中がテントブームだそうです。
世界規模で見るとテントって結構狭い世界らしく、製造も複雑な為、作れる工場も限られていて、今回の世界的なアウトドアブームでテント自体を購入するのが難しいそうです。
さて、そこで重宝するのがレンタルテント。そして、今年3年目を迎えたぶらキャン。
ぶらキャンを始めようとしたのが3年前。
世界中が大パニックになっていて、当園も休業を余儀なくされました。ただ、幸いにもキャンプ場を併設していた為、キャンプに活路を見出そうとして始めました。
特色を出さなきゃいけないだろうと思い、キャンプ体験をするので有れば最高級なものを揃えて、ほぼ手ぶらで山岳キャンプをしてもらおうと始めたのが一年目のぶらキャンです。
テントは、ノースフェイスのジオドーム(20万円)。ヘリノックスのベット(5万円)。マイナス15度まで耐えられるナンガの寝袋(6万円)。それに、ノースフェイスのアウトドアチェアにテーブル。ベアボーンズ社のライト。沢山の小物を収納するバケツはyeti社。ガスバーナーはプリムスで1番人気のカセットコンロまで揃えました。
さぁここまで揃えたら!殺到するに違いない!
コケました…。
よく考えたら物は全て一級品なのですが、利用される方は、キャンプ初体験の方々。その世界では一級品の会社なのですが、初めての方には馴染みのない会社ばかり。その時にお客様から言われた一言が強烈に印象に残りました。
「ペーパードライバーにロールスロイスを貸せるようなもの。使い方すらわからない」
仰る通り。ご自慢のノースフェイスのジオドームに限っては、入り口すら何処だか分からない有様です…。
更に、絶望する日が。雨が降ってしまうと、折角の外での食事が出来なくて、外来食堂の片隅で取って頂く。使い勝手の分からないテントの中ですることもなく、せめてテントの中でトランプでもと無料でお配りした安物のトランプは、湿気に極端に弱くストレスが溜まる始末。
山岳テントではしょうがないのですが、今回ターゲットにしていたのは初心者の方。折角、テントを好きになって貰おう始めた企画なのですが、テントが嫌いになって帰っていく…。
手ぶらでキャンプ。訳して「ぶらキャン」が、完全にブラックキャンプ。訳して「ブラキャン」になる日もありました。
2年目。
まずは雨を前提に考えました。そこで思いついたのが、tokusawa base。
雨の日も、こちらで食事を取ってもらい、読書をしたり、ゲームをしたり、ボルダリングをしたり、会話を楽しんだり。晴れても好きな本を片手に山を眺めながら過ごせる施設。
更に、ぶらキャンコンシェルジュというスタッフを置き、テントや道具の使い方をレクチャーしました。
これで一気にクオリティが上がりました。プロモーションビデオまで作り、利用された方の満足度も感じ取れました。
3年目
ようやくお客様にも浸透して今年は本当に多くの方に利用されています。
長い道のりと莫大な費用…。
私の唯一の長所。ウジウジするけど諦めの悪い男。
ようやく花開きました!
利用された方には本当に沢山のお褒めの言葉を頂戴し、もしかしたら当園宿泊の方よりも高い満足度でお帰り頂いているようにも感じます。
夏山シーズン後半戦。多くの日が満席になっていますが、お盆明けにはチラホラと空いています。もちろん、秋にも十分に楽しんで頂けます。
機会がありましたら、是非「ぶらキャン」ご利用くださいませ。
追伸
人気山岳YouTuberの安涼奈さんが、ぶらキャン体験をあげてくれています。とてもわかりやすいのでご参考に。