涸沢紅葉始まりました。山小屋の定員数が限られているため涸沢ヒュッテさん涸沢小屋さんの予約を取れた方は本当にラッキーです。
毎日お天気もよく、一気に冷え込んできていますのでとてもいい色付きだと思います。
さて、毎日色んな方が訪ねて来てくれます。
昨日はこのコロナ禍だからそこ訪ねてきてくれた方々がいます。ずっと前からいつかはお会いしてお話してみたかった人たちです。
春先から始まったコロナ騒動。
三密。
ソーシャルディスタンス。
飛沫感染等今では当たり前のように使っていますが、その当時は聴き慣れない言葉が飛び交いました。我々山小屋は、その言葉の意味を知る度に絶望感に落とされました。
未知のウィルスとの戦い。どう工夫したら山小屋は存続出来るのか。それとも、ウィルスの正体が判明するまで休業を続けるのか。まさに究極の選択でした。
世論も、辞めるべきだという考えと登山文化継承のために細心の注意を払いながら続けるべきだと意見も真っ二つに分かれました。
北アルプスの山小屋は今までとは勝手が違うけれど夏から営業を行うという選択をしました。
北アルプスの良きライバル富士山。
富士山は今年の営業を全て自粛するという選択をしました。
正直、このお互いの選択は、どちらが正解かわかりません。
それぞれの選択も、北アルプスは感染しないから営業を行うという自信からではなく、小屋存続のためにも縮小してでも営業せざるを得ない選択。
富士山は、感染するから営業をしないのではなく、防衛方法が未知であるから自粛せざるを得ないという選択でした。
どちらも色々なものと戦っています。北アルプスは、多少の収入はあるけど万が一というリスクもあります。富士山は、感染の可能性は無いけれど、一年間無収入という現実があります。
7月から営業が始まり2ヶ月が経ちました。勿論、今のところ感染者やクラスターの報告もありませんし、コロナ疑いのお客様の報告もありません。
夏山シーズンはどちらも同じですので、今まで富士山の経営者の方々との交流はありません。お互いに日本を代表する山ですが、手を取り合って知恵を与えあい日本の山岳文化を発展させて行こうと認識もありませんでした。
ただ、今は山が違うからライバルだとか、お互いにしていないことを売りに競っている場合ではありません。全国の山小屋が一致団結し知恵を出し合い、安心、安全の新しい形の山岳文化を共に考える絶好の機会です。
今回、富士山(山梨県側)の若手経営者の皆さんから連絡を頂き、感染対策をどのようにしているのか見せて欲しいという旨の連絡を頂きました。
太子館 http://www.mfi.or.jp/taisikan/
佐藤小屋 http://www.fuji-satogoya.com
富士山ホテル https://www.fujisanhotel.com
トモエ館 https://tomoekan.com
の錚々たる山小屋の若き経営者の皆さんがこの北アルプスにお越し頂き、今後のコロナとの共存。将来の山小屋のあり方など3時間もお話しました。
勿論、当園が行ってる対策。部屋の作り。問題点。お客様の反応。行動。私の経験や考えも全てお話しました。
山の違い。山梨県と長野県の違い。山岳救助の違い。お客様の行動パターンの違い。環境の違い。いくら時間があっても足りないくらいでした。
内容に関してはまた落ち着いたらブログで書きたいと思ってます。
ただ、一つ。
来年はwithコロナとお付き合いしながら、絶対に営業を行い日本の登山を盛り上げていきましょうと誓いあいました。
富士山と北アルプスが手を取り合って日本の登山を守る!
頼もしい仲間と知り合えて私が勇気を貰いました!