朝晩めっきり寒くなってきた奥上高地。今年は本当に天候に泣かされました。春の集中豪雨や夏の長雨。そして秋は台風と・・・。
例年であれば9月下旬はぐっと冷え込んでくる頃ですが、シルバーウィーク明けも暖かな日が続きました。当然涸沢の紅葉も遅めと思いきや、今年は例年以上に早く、10月初めには最高潮を迎えていました。徳沢キャンプ場のマユミの木も、例年では10月下旬に真っ赤に色づく頃ですが、既に10月初旬には見頃を迎えました。
さて、当園のご神木”カツラ”の木。他の紅葉同様早めかと思いきや、カツラだけは気温通り、9月の暖かさのため青い葉も目立っていました。さあ、これから全開、素晴らしい黄金に輝く紅葉を見せてくれるだろうと期待をしていましたが、台風後の激しい冷え込みで、紅葉している部分は、葉が落ちてしまいました・・・。ただ、急に寒くなったため、青い部分はまだ残り、例年のような一斉に黄金雨のような落葉は、今年はお預けのようです。
本当に自然の仕組みはよくわかりません。普通でしたら、暖かい日が続くと紅葉は遅くなるものですが、今年の紅葉は早かった。夏の長雨のせいでしょうか???
異常気象などとよく言われますが、ここで暮らしていると環境の変化がよくわかります。女将はここに嫁に来て30年になりますが、昔は夏に半袖のシャツを着ることはなかったそうです。その証拠に、昔の洋服を引っ張り出しても半袖の服はほとんど持っていません。ただ、ここ数年は夏になると奥上高地でも半袖でないと少し蒸し暑い陽気の日があります。(もしかしたら、女将自身が昔に比べ、横に大きく膨れ上がったため、それが一番の原因だとも考えられますが・・・。)
上高地の他施設の方も、夏の暑さの為に悩みが出てきたそうです。上高地にある施設では、暖房はありますが、クーラーはありません(というより必要がなかった。)。しかし、ここ数年お客様の中から暑すぎるからどうにかしてくれというクレームが多く、夏の間は扇風機を各部屋に入れた施設もあると聞きました。(どんなに暑くなっても上高地の場合、30度を超えることはありません。クーラー慣れしすぎて、人が暑さに対して弱くなったのかもしれませんが。)
異常気象に関して自然は敏感です。四季の変化がある日本の自然の素晴らしさ。この先、紅葉がいつまでも見られる日本であり続けられるか心配になってきます。
レポート 若旦那