いよいよ、今シーズンの営業も残すところ数日となってきました。
山を見ると、一面雪化粧をし徳沢にも天気次第では雪が散らつきそうな感じです。
さて、我々は下山の準備を始めなければならない時期にきました。
下山日に、鍵を閉めてさぁまた来年という訳にはいきませんので、
冬支度は最後の大仕事です。
この冬支度の前に行う男女各恒例行事があります。
まずは、Men’s Team!
何よりもまず先にやらなければならないこと。
それは、水場の撤去です。
当園の水確保は、2種類あります。
1つは、井戸水。
おいしい地下水をポンプで汲み上げています。
こちらは、大したメンテナンスも無く、とても便利です。
もう1つは、沢水。
山の上の源流から、当園まで大きなバケツとホースを使い引っ張ってきています。
こちらのメンテナンスはとても大変です。
飲料にも使われますので、流れている川の水を引いてくる訳にもいかず、源流口に大きなバケツを備え付け、それをホースで当園まで引いてくる。
その距離2キロ。
ホースと言っても家庭で使うものとは違い、途中木などが倒れてきても耐え切れる頑丈なもの。
また、その源流というのが、切り立った岩の上にある。
そこに大きなバケツを備え付けてあるのだから・・・
際立った、急斜面にあるため、冬は雪崩の巣。
大きなバケツだろうが、ホースだろうが一気に持ってかれます。
従って、雪が降る前に撤去しておかなければなりません。
命綱をつけ、バケツを雪崩の来ない場所(大きな木の根元)に移動します。
そこに、ロープを何十にも括りつけます。
また、1本100キロ以上あるホースは、一本一本を分解し、雪に埋もれない場所に移動します。
ここに、戻ってきた当初(4年前)。
あまりに手間がかかり効率が悪いので、もっと簡単な方法が絶対あると思っていました。
何で、こんな山の上に設置しなければならないの?
ホースは来年も据え付けるのだから、このまま春まで置いておけばいいのではないか??
作業をしてわかった事。
”先人の教え”ではないですが、長年培われたこの方法が一番効率がよいものだと理解しました。
何で、こんな山の上に設置しなければならないの?
それは、急な傾斜を使わなければ、2キロ先の当園までは水はやってきません。
ホースは来年も据え付けるのだから、このまま春まで置いておけばいいのではないか??
それは、春になって水を引いてくる際、ホースが破けたり、ホースの中で水が凍っていた場合、雪が溶けるまで使えず、春の営業ができない。
水場での社長の口癖
”秋に楽すれば、春に苦労する”
当園の歴史は100年以上になりますが、先人が何度も失敗し、その都度新しいことに挑戦してきた。
人間にとって必要不可欠な水の確保。
すなわち、当園の歴史の縮図がこの水場です。
レポート 若旦那